このページのまとめ
- 反応速度は、化学反応が進む速さを示す。
- 濃度、温度、触媒が反応速度に影響を与える。
- 速度式は、反応物の濃度に基づいて反応速度を計算するための式。
~先生と生徒の会話~

化学反応がどうやって進むかは理解してきたんですが、反応がどれくらいの速さで進むかという「反応速度」についてはまだよくわかりません。反応速度ってどうやって決まるんですか?



良い質問だね!「反応速度」というのは、化学反応がどれくらいの速さで進行するかを示す指標なんだ。もっと具体的に言うと、反応物が生成物に変わる速さを表していて、単位時間あたりに反応物が減少する量や生成物が増加する量で表されるんだよ。例えば、砂糖が水に溶ける速さや、木が燃える速さなど、化学反応の速度は場面によって様々だ。



確かに、キャンドルが燃える速さや炭酸飲料の泡が出てくる速さなんかも違いますよね。それって、何がその速さに影響を与えているんですか?



反応速度に影響を与える要因は主に3つあるんだ。まず1つ目が「濃度」だよ。反応物の濃度が高いほど、分子同士がぶつかる確率が高くなって、反応が速く進むことがあるんだ。例えば、濃い酸を使うと反応が速くなるのもこのためだよ。



濃度が高いとぶつかる確率が上がるんですね。他には何が影響するんですか?



2つ目が「温度」だね。温度が上がると分子の運動エネルギーが増えて、より激しく動き回るから、衝突する頻度も増えるし、反応が起こる確率も高まるんだ。これが、温度が上がると反応速度が速くなる理由だよ。例えば、冷たい水では砂糖が溶けにくいけど、お湯だとすぐに溶けるのも温度の影響なんだ。



確かに、お湯に砂糖を入れるとすぐに溶けますよね。じゃあ、他には何がありますか?



3つ目が「触媒」だよ。触媒は反応に参加するけど、自分自身は変化しない物質で、反応速度を速める役割を果たすんだ。例えば、車の排ガス処理装置に使われる触媒は、有害物質を無害なガスに変える反応を速くするために使われているよ。



触媒って化学反応を速めるんですね!それで触媒を使った化学反応が効率よく進むんだ。反応速度っていろいろな要因によって変わるんですね。それを計算したり予測したりする方法ってあるんですか?



もちろんあるよ!反応速度は「速度式」という式で表されるんだ。速度式は反応物の濃度や、その他の要因に基づいて反応速度がどのように変わるかを示している。例えば、ある反応において、反応速度が反応物Aの濃度の2乗に比例し、反応物Bの濃度に比例する場合、その速度式は次のようになる。
速度=k[A]2[B]
ここで、kkk は「速度定数」と呼ばれる定数で、その反応に固有の値なんだ。この式を使って、反応速度を計算したり予測したりできるよ。



速度式を使うと、反応がどれくらい速く進むかが計算できるんですね!それって実験でも使われるんですか?



そうだね、速度式は実験結果を分析するのにも使われるし、実際に工業プロセスを最適化するためにも役立つんだよ。反応速度をコントロールすることで、効率よく製品を作ることができるんだ。
例題&解答
【例題1】反応物Aの濃度が2倍になると、反応速度はどのように変わるか説明しなさい。速度式は、
速度=k[A]2です。
速度式では、反応速度はAの濃度の2乗に比例しているため、Aの濃度が2倍になると、反応速度は4倍になります。
【例題2】反応物AとBの反応において、速度式が速度=k[A][B]であるとします。Aの濃度が3倍、Bの濃度が2倍になったとき、反応速度はどのくらい変わるか計算しなさい。
反応速度は[A]と[B]の濃度に比例するため、Aが3倍、Bが2倍になると、反応速度は3×2=6倍になります。