【高校化学/理論化学】ダニエル電池を8分で解説!

このページのまとめ

  • ダニエル電池は、亜鉛と銅の電極を使い、安定した電流を長時間流すことができる電池。
  • 塩橋や素焼き板は、イオンを移動させながら溶液が混ざらないようにする重要なパーツ。
  • ダニエル電池は、ボルタ電池の改良版であり、現代の電池技術の基礎を築いた。

~先生と生徒の会話~

生徒

ダニエル電池って、ボルタ電池の改良版だって聞いたんですが、具体的にどんな点が改良されているんですか?

先生

ダニエル電池は、ボルタ電池の問題点である「分極」を解決するために設計されたんだよ。ボルタ電池では銅電極に水素ガスが発生して電流が流れにくくなる分極が起こったけど、ダニエル電池では、この問題を塩橋や素焼き板を使って解決しているんだ。だから、ダニエル電池は長時間安定して電流を流せるんだよ。

生徒

塩橋や素焼き板って、どういう役割を果たしているんですか?

先生

まず、塩橋について説明するね。塩橋は、亜鉛電極と銅電極が浸かっている溶液の間でイオンを移動させるための通路なんだ。ダニエル電池では、亜鉛電極は硫酸亜鉛(ZnSO₄)溶液に、銅電極は硫酸銅(CuSO₄)溶液に浸かっているんだけど、この2つの溶液が直接混ざってしまうと、反応が乱れてしまうんだ。そこで、塩橋が間に入って、両方の溶液にあるイオンが自由に移動できるようにしながらも、溶液が混ざらないようにしているんだよ。

図1 ダニエル電池
生徒

イオンの移動を助けつつ、溶液が混ざらないようにするんですね!それなら、素焼き板はどんな役割なんですか?

先生

素焼き板は、塩橋と似た役割を果たしているけど、もっと単純な構造なんだ。電池の中で、電極が溶液に浸っていても、電荷のバランスを保つためにイオンが適切に移動できないといけないよね。素焼き板は、イオンを通すための通路として使われるんだ。これも、2つの溶液が混ざらないようにしながら、イオンだけが移動できるようにしているんだよ。

生徒

塩橋も素焼き板も、イオンの移動をコントロールするために使われているんですね。それで、ダニエル電池では電流が安定して流れるんだ。

先生

そうなんだ。この仕組みのおかげで、ダニエル電池は長時間にわたって安定した電圧を出力できるんだ。亜鉛が電子を放出してZn²⁺に酸化され、銅電極ではCu²⁺が電子を受け取って銅に還元されるという一連の反応が安定して続くんだ。このとき、イオンが塩橋や素焼き板を通して移動することで、電荷のバランスが保たれているんだよ。

生徒

ダニエル電池はずっと安定して使えるようになったんですね!でも、今はもっと改良された電池もあるんですか?

先生

そうだね。ダニエル電池は画期的な発明だったけど、現代ではさらに進化した電池が使われているんだ。例えば、「改良型ダニエル電池」では、塩橋の代わりにセラミック材料などが使われたり、より効率的な電解液が開発されているんだよ。また、現代のリチウムイオン電池や鉛蓄電池のような電池は、ダニエル電池の基本原理をさらに進化させて実用化されているんだ。

生徒

電池の進化がすごいですね!ダニエル電池がベースになって、今の電池ができたんですね。

先生

その通り。ダニエル電池は、電気の基本原理を応用した最初の安定した電池であり、今日の電池技術の土台となったんだ。今使っているスマホのバッテリーだって、この技術の延長線上にあるんだよ。


例題&解答

【例題1】
ダニエル電池で、塩橋が果たす役割を説明しなさい。

【解答】

塩橋は、亜鉛電極と銅電極が浸っている異なる溶液の間でイオンを移動させ、電荷のバランスを保ちながら、溶液が混ざらないようにする役割を果たす。

【例題2】
ダニエル電池で、亜鉛が起こす反応と、銅電極で起こる反応を示しなさい。

亜鉛(酸化反応): Zn → Zn²⁺ + 2e⁻

銅(還元反応): Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu

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この記事を書いた人

京都大学工学部工業化学科卒業。
過去に某有名学習塾にて化学科講師として勤務。対面授業,オンライン授業共にのべ2000人以上の生徒を指導し,多くを東大・京大・国公立医学部へ排出。