このページのまとめ
- 質量パーセント濃度は、溶液中の溶質の質量が溶液全体の質量に対して何パーセントかを示す。
- モル濃度は、溶液1リットルあたりに何モルの溶質が含まれているかを表す。
- 質量モル濃度は、溶媒の質量に対する溶質のモル数を表す。
- 密度は、溶液の質量と体積の関係を示し、濃度が高いと密度も高くなる。
~先生と生徒の会話~

溶液の濃度って、いろいろな計算方法があるって聞いたんですけど、具体的にどうやって計算するんですか?濃度って一つの方法じゃないんですか?



そうだね、溶液の濃度を表す方法はいくつかあって、状況や目的に応じて使い分けるんだ。今日は代表的な3つの濃度の計算方法について説明しよう。まず、「質量パーセント濃度」からいこうか。



質量パーセント濃度って何ですか?



質量パーセント濃度というのは、溶質の質量が溶液全体の質量に対して何パーセントを占めているかを表すものだよ。たとえば、砂糖10gを90gの水に溶かした場合、溶液全体の質量は100gだよね。だから、この場合の質量パーセント濃度は10%になる。式で表すと、次のようになるんだ。





なるほど、溶質が溶液全体の中でどれだけの割合を占めているかを見るんですね。じゃあ、モル濃度っていうのもありますよね?それはどう違うんですか?



モル濃度は、溶質の量をモルで表すんだ。モルっていうのは、物質の粒子の数を示す単位で、1モルは6.02×10²³個の粒子を指すんだよ。モル濃度は、溶液1リットルあたりに何モルの溶質が含まれているかを表す指標だね。たとえば、1リットルの水に1モルの塩を溶かした場合、そのモル濃度は1mol/Lになる。式は次のように表せる。





モル濃度って、溶液の体積で溶質の量を考えるんですね。でも、質量モル濃度っていうのもありますよね。それは何ですか?



そう、質量モル濃度も重要だね。これは溶媒の質量に対する溶質のモル数を示すんだ。質量モル濃度は、特に化学反応の計算などで使われることが多いよ。たとえば、1キログラムの水に1モルの塩が溶けていると、その質量モル濃度は1mol/kgになる。式で表すと次の通りだ。





モル濃度と質量モル濃度って、どちらもモルを使っているけど、体積で考えるか質量で考えるかの違いなんですね。



そうだね。溶液の濃度は、その用途や状況に応じて使い分ける必要があるんだ。例えば、日常生活では質量パーセント濃度がわかりやすいけど、化学の実験や反応ではモル濃度や質量モル濃度がよく使われるんだ。



なるほど。濃度の種類は状況に応じて変わるんですね。ところで、密度はどうやって関係してくるんですか?



良い質問だね。密度は、溶液全体の質量と体積の関係を示すもので、単位体積あたりの質量を表すんだ。例えば、水の密度は1g/cm³だけど、砂糖水のように溶質が溶けると密度が増えることがあるんだ。密度は、濃度が高いと溶液がより重くなり、密度も高くなるんだよ。





だから、砂糖水を作ると水よりも重くなるんですね!濃度が高くなればなるほど、密度も上がるというわけですね。



そういうことだよ。溶液の濃度と密度は密接に関係しているんだ。だから、工業や実験室で濃度を正確に測るために密度計を使うこともあるんだよ。
例題&解答
【例題1】100gの水に10gの砂糖を溶かしたとき、質量パーセント濃度を求めなさい。
9.09%
【例題2】2モルの塩を1.5リットルの水に溶かしたときのモル濃度を求めなさい。
1.33mol/L
【例題3】3モルの塩を1.2kgの水に溶かしたとき、質量モル濃度を求めなさい。
2.5mol/kg