このページのまとめ
- ヘンリーの法則は、気体の溶解量が気体の圧力に比例するという法則。
- 気体の溶解量は、圧力に加えて溶媒の量にも比例する。
- 溶媒の種類や性質(極性や無極性)も、気体の溶解度に影響を与える。
~先生と生徒の会話~

この前、炭酸飲料について話したときに「ヘンリーの法則」を知ったんですが、もう少し深く理解したくて、気体の溶解量について詳しく知りたいです。例えば、溶媒の量が増えたら、気体がもっと溶けるんでしょうか?





そうだね!ヘンリーの法則では、気体の溶解量がその気体の圧力に比例するということを説明したけど、気体の溶解量は溶媒の量にも比例するんだよ。つまり、溶媒の量が多ければ多いほど、より多くの気体を溶かすことができるんだ。これは直感的に考えても分かることかもしれないね。例えば、大きな水槽に炭酸ガスを入れると、小さなコップよりもたくさんの炭酸ガスが溶けるんだ。





ああ、そうなんですね!じゃあ、大きい容器に同じ圧力をかけた場合、気体がたくさん溶けるということですね。でも、それって具体的にどういう計算で表されるんですか?



ヘンリーの法則に基づく計算では、気体の溶解量は気体の圧力に比例するだけじゃなく、溶媒の量にも比例するんだ。たとえば、1リットルの水に溶ける酸素の量を考えると、その水の量を2リットルに増やせば、同じ圧力下では酸素の溶解量も2倍になるんだよ。



つまり、溶媒が多ければ多いほど、同じ圧力で溶ける気体の量が増えるんですね。ヘンリーの法則って意外とシンプルなんですね。



そうだね。実際には、溶解度という概念も影響してくるけれど、ヘンリーの法則自体は非常にシンプルなんだ。さらに、気体の溶解度が溶媒の種類によっても変わることを覚えておくといいよ。例えば、炭酸ガスは水に非常によく溶けるけど、同じ圧力で油に炭酸ガスを溶かそうとすると、水ほどはうまく溶けないんだ。



確かに、水に炭酸ガスが溶けるのはよく見ますが、油では考えたことがないですね。溶媒の種類によっても違うんですね。じゃあ、温度や圧力以外に、溶媒の性質も影響しているんですか?



その通り!溶媒が極性を持つか無極性かによって、溶解しやすさが変わるんだよ。例えば、水は極性を持っているから、極性を持つ気体、例えば二酸化炭素がよく溶ける。でも、無極性の気体は極性を持たない油のような無極性溶媒の方が溶けやすいんだ。



そうだったんですね。日常生活で意識することは少ないけど、こうやって聞くと面白いです。ヘンリーの法則って、他にもどんな場面で役立っているんですか?



実生活では、ダイビングや炭酸飲料の話だけじゃなく、たとえば化学工業や医療の分野でも役立っているんだ。例えば、酸素吸入器で使われる酸素ボンベや、液体窒素を利用した実験など、気体を効率よく溶媒に溶かす技術は、たくさんの場面で応用されているんだよ。



酸素ボンベや液体窒素もそうなんですね!どこにでもヘンリーの法則が関わっているんですね。



その通り。ヘンリーの法則は単に理論的なものでなく、日常や産業のさまざまな場面で使われているんだ。だから、この法則を理解することは、いろんな分野での応用を考える上でもとても重要なんだよ。
例題&解答
【例題1】1リットルの水にある圧力で0.5gの酸素が溶けるとします。同じ条件で2リットルの水に酸素を溶かした場合、酸素の量は何グラムになりますか?
ヘンリーの法則により、溶媒の量が2倍になると溶ける気体の量も2倍になるため、酸素は1.0g溶けます。
【例題2】水と油に炭酸ガスを溶かしたとき、どちらに炭酸ガスが多く溶けるかを説明しなさい。
炭酸ガスは極性を持つため、極性を持つ溶媒である水により多く溶けます。溶媒の性質も溶解度に影響を与えるため、無極性の油よりも水に炭酸ガスが多く溶けます。