このページのまとめ
- 溶解度は、ある温度でどれだけの溶質が溶媒に溶けるかを示す。
- 溶解度は、溶媒と溶質の性質、特に極性によって決まる。
- 温度が高くなると、固体の溶解度は上がり、気体の溶解度は下がる。
- 圧力も気体の溶解度に影響を与え、圧力が高いほど気体は溶けやすくなる。
~先生と生徒の会話~

最近、溶解について学んだんですけど、ふと「溶解度」っていう言葉が気になりました。どうして物質によって溶けやすさが違うのか、それが溶解度に関係しているんですか?



いいところに気がついたね!溶解度というのは、ある温度で一定量の溶媒にどれだけの溶質が溶けるかを示す量のことだよ。つまり、どれくらいその物質が溶けやすいか、という目安になるんだ。例えば、砂糖は水に簡単に溶けるけど、同じ量の食塩を水に入れても、あまりたくさんは溶けないよね。これは、砂糖と食塩の溶解度が違うからなんだ。



なるほど、砂糖と食塩では溶解度が違うんですね。でも、どうして物質によって溶解度が異なるんですか?



それは、物質の性質と、溶媒との相性が関係しているんだ。前に学んだ「極性」の話を覚えているかな?水のように極性を持つ溶媒には、極性を持つ物質が溶けやすいんだよ。砂糖や塩は極性を持っているから、水に溶けやすいんだ。逆に、油のような無極性の物質は、水に溶けにくいんだ。だから、溶解度は溶媒と溶質の性質の相性によって決まるんだ。



確かに、油が水に溶けないのはよく見かけますね。でも、溶解度って温度によって変わるんですか?熱いお湯に砂糖を入れると、冷たい水よりも早く溶けるような気がするんですが。



いい観察だね!実は、溶解度は温度によって大きく変わるんだ。ほとんどの固体溶質は、温度が高くなると溶解度が増えるんだよ。だから、砂糖をお湯に入れると、冷たい水に比べてたくさん溶けるんだ。溶質の分子が、温度が高いときにより活発に動くことで、溶媒と混ざり合いやすくなるからだね。





じゃあ、逆に温度が下がると溶解度は減るってことですか?例えば、砂糖を冷たい水に入れると、溶けにくくなるってことですね。



その通り。温度が低くなると、溶質の分子は動きが鈍くなるから、溶媒と混ざりにくくなるんだよ。ただし、気体の溶解度は逆で、温度が高くなると溶解度が減少するんだ。例えば、炭酸飲料を冷蔵庫に入れておくと炭酸ガスがよく溶けているけど、温かくなると炭酸ガスが抜けやすくなるよね。これは、気体が温度が上がると溶けにくくなるからなんだ。



なるほど!気体と固体では、溶解度が温度に対して逆の挙動を示すんですね。じゃあ、溶解度には他にどんな要素が影響するんですか?



もう一つ大きな要素は「圧力」だよ。特に気体の溶解度に影響を与えるんだ。気体の溶解度は、圧力が高くなると増えるんだ。これも炭酸飲料の例で説明できるね。炭酸飲料の瓶や缶の中は高圧状態になっているから、炭酸ガスが水に溶け込んでいるんだよ。蓋を開けると圧力が下がり、ガスが抜けて泡となって出てくるんだ。





ああ、だから炭酸飲料は蓋を開けると泡が出るんですね!圧力が関係していたとは驚きです。溶解度って、普段あまり意識していなかったけど、いろいろな現象に関わっているんですね。



そうだね。溶解度は日常生活の中でもいろいろな場面で影響を与えているんだ。例えば、料理でも、砂糖や塩がどれくらい溶けるかを考えたり、飲み物を冷やしておくと味が変わるのも溶解度の影響なんだよ。
例題&解答
【例題1】固体と気体の溶解度が温度に対してどのように変化するか説明しなさい。
固体の溶解度は温度が高くなると増加し、気体の溶解度は温度が高くなると減少します。
【例題2】炭酸飲料を冷やしておくと、炭酸ガスがよく溶けている理由を、溶解度の観点から説明しなさい。
炭酸ガスは気体であり、温度が低いと溶解度が高くなるため、冷えた炭酸飲料には炭酸ガスがよく溶けています。また、瓶や缶の中の高圧状態も、気体の溶解度を高めています。