【ノートでかんたん理解!】分子・分子結晶(高校化学/理論化学)

ページのまとめ(所要時間:7分)

学習のポイント

  • 分子は、原子が共有結合で結びついてできた単位で、例えば水や酸素などがその例。
  • 単結合は1組の電子対、二重結合は2組の電子対、三重結合は3組の電子対を共有する結合で、結合が増えるごとに強さと安定性が増す。
  • 分子結晶は、分子が分子間力で結びついて固体化したもので、代表例は氷やヨウ素、ドライアイス。
  • 分子結晶は柔らかくて融点が低い性質を持ち、しばしば昇華する。

まとめノート


~先生と生徒の会話~

先生

今日は「分子」と「分子結晶」について話そうか。分子って、何か知ってる?

生徒

うーん、分子って物質を構成するすごく小さな単位ってことは知ってますが、詳しいことはわからないです。

先生

そうだよね。分子は、原子が共有結合によって結びついた、物質の最小の単位だよ。例えば、水分子H2​O では、酸素と水素がそれぞれ電子を共有して安定した結合を作っているんだ。このようにして、分子ができるんだよ。

生徒

分子が共有結合でできるんですね!他にも分子の結合の種類があるんですか?

先生

そう、それが今日のもう一つのテーマだ。分子が結びつくときには、単結合二重結合三重結合があるんだ。単結合は、原子同士が1組の電子対を共有して結びつく形で、これは最も一般的な形なんだ。例えば、水素分子H2​ やメタンCH4​ がその例だね。

生徒

なるほど、1組の電子対で結びつくのが単結合なんですね。じゃあ、二重結合と三重結合は?

先生

いい質問だね!二重結合は、2組の電子対を共有する結合だ。例えば、酸素分子O2 や、二酸化炭素CO2​では、酸素原子同士や炭素と酸素が二重結合を作っている。二重結合は単結合よりも強く、結合距離も短いんだ。

生徒

結合が2つだと強くなるんですね!じゃあ、三重結合は?

先生

三重結合は、3組の電子対を共有する結合で、最も強い共有結合なんだよ。代表例は窒素分子N2​で、三重結合によって非常に安定しているんだ。アセチレンC2​H2​も三重結合を持っているね。この三重結合のおかげで、窒素分子は非常に安定で、分子同士の結びつきも強いんだ。

生徒

なるほど、結合が強くなるほど、物質も安定するんですね!

先生

その通りだ。そして、分子結晶というのは、分子間の弱い力(分子間力)で固体になったものなんだ。例えば、氷やヨウ素、ドライアイスが分子結晶の典型例だ。分子結晶は、分子間の結びつきが弱いから柔らかくて融点が低いという特徴があるんだよ。

生徒

氷やドライアイスが分子結晶なんですね。なんだか、結晶って言うとすごく硬いイメージがありました。

先生

分子結晶は少し特殊で、結晶だけどとても柔らかいし、昇華しやすいんだ。例えば、ヨウ素やドライアイスは、固体のまま直接気体になることがあるよ。これも分子結晶の特徴の一つなんだ。


例題&解答

【例題1】
次の物質のうち、二重結合を持つものはどれですか?
・酸素分子O2​
・水素分子H2​
・窒素分子N2​

【解答】酸素分子O2​

【例題2】
分子結晶が柔らかく、融点が低い理由を説明しなさい。

【解答】

分子結晶では、分子間力が非常に弱いため、固体としても結合力が弱く、結果として柔らかく、融点も低くなる。

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この記事を書いた人

京都大学工学部工業化学科卒業。
過去に某有名学習塾にて化学科講師として勤務。対面授業,オンライン授業共にのべ2000人以上の生徒を指導し,多くを東大・京大・国公立医学部へ排出。