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学習のポイント
- 金属結晶は、金属原子同士が共有する電子の海によって形成され、電気や熱をよく通す特性を持つ。
- 金属結晶は、金属原子が規則正しく並んだ構造で、非常に高い強度や光沢を持つ。
- 金属の延性や展性は、金属結合による電子の移動が自由であることから生まれる。
まとめノート

~先生と生徒の会話~

今日は「金属結合」と「金属結晶」について話してみようか。金属は、私たちの生活にとって非常に重要な素材だよね。例えば、アルミニウム缶や鉄のパイプ、銅線など、いろいろなところで金属を見かけると思うけど、どうやってこれらの金属が結びついているか知っている?



うーん、何となくくっついているのかなって思ってたけど、正確にはわからないですね…。



それじゃあ、今日はその仕組みについて説明するよ。金属結合というのは、金属原子同士が自由に動き回る電子、いわゆる電子の海によって結びついている状態を指すんだ。金属原子は、互いに陽イオンのような形で存在し、これらの陽イオンは電子の海に囲まれているんだよ。



電子の海?なんだか不思議な表現ですね。



そうだよね、でもこの「電子の海」が金属に特徴的な性質を与えているんだ。この図を見てみよう。例えば、金属が電気を通すのは、この電子の海が自由に動けるからなんだよ。自由に動くことができる電子のことを自由電子と呼ぶから、覚えておこう。この電子は金属全体を動き回ることができるから、電気や熱を効率よく運ぶんだ。それに、金属は叩くと変形しても割れないという性質、つまり展性や延性を持っているけど、これも電子の海があるおかげなんだ。





なるほど、だから金属は曲げても壊れにくいんですね!じゃあ、金属結晶って何ですか?



いい質問だね。金属結晶は、金属原子が規則正しく並んでできた結晶構造のことを指すんだ。例えば、金属の原子が非常に近い距離でぎゅっと詰まっている構造ができていて、これが金属結晶の基本的な形なんだよ。この結晶構造の中では、原子が密にパッキングされているため、金属は非常に強い構造を持っているんだ。



金属って、そんな規則正しい形で並んでいるんですね!それで硬さや耐久性があるんですね。



その通り!だから金属は強くて、しかも加工がしやすいんだ。さらに、金属結晶は熱をよく伝えるし、光を反射して光沢があるのも、この結晶構造と電子の海のおかげだよ。
例題&解答
【例題1】
金属が電気を通す理由は何ですか?
・金属原子が非常に密に詰まっているから
・電子の海があり、電子が自由に移動できるから
・金属原子が常に運動しているから
【解答】
電子の海があり、電子が自由に移動できるから
【例題2】
金属結晶の特徴を2つ挙げなさい。
【解答】
金属光沢、延性、展性、熱伝導性、電気伝導性のうちから2つ。