このページのまとめ
学習のポイント
- 希ガス(貴ガス)は周期表の18族に属し、最外殻の電子が埋まった閉殻構造またはオクテットの状態を持つため、化学反応を起こしにくい。
- 希ガスは価電子が0個であり、他の原子と結びつくことがないため、安定している。
- ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンが希ガスに含まれる。
- 物質は純物質と混合物に分類され、純物質はさらに単体と化合物に分けられる。
- 元素、原子、単体で呼び名が同じ物質がある。
まとめノート

~先生と生徒の会話~

今日は「希ガス」について話そうか。これ、実は「貴ガス」とも呼ばれることがあるんだよ。希ガスは周期表の18族に属するガスで、特に安定した性質を持つんだ。



貴ガスとも呼ばれるんですか?なんだか高貴な響きですね。



そうだね。「貴ガス」という名前は、その安定性と他の元素との結びつきをほとんど持たない、いわば「孤高」のような性質から来ているんだ。希ガスは、最外殻の電子がすべて埋まっている閉殻構造か、最外殻の電子数が8個の状態になるオクテットの状態をとるよ。



最外殻が埋まっているってどういうことですか?



原子は通常、最外殻に電子があることで化学反応を引き起こすんだけど、希ガスはその最外殻に電子がいっぱい詰まっている。ただ、希ガスは安定でほとんど反応しないので、希ガスの価電子は0個なんだ。



だから反応しないんですね!じゃあ、具体的にはどんな元素があるんですか?



希ガスには、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、そしてラドンがある。この図を見てみよう。これらは、無色透明で無味無臭、さらに燃えないガスだよ。こうした性質のおかげで、例えばアルゴンは溶接の際に使われているし、ヘリウムは風船や気球に使われるんだ。





身近なところで使われているんですね!でも、まったく反応しないなら、化学的にはあまり役に立たないんじゃないですか?



確かに、希ガスは普通の条件ではほとんど反応せず、単原子分子として存在していることが多いんだ。物質の分類では、単体に分類されるよ。



なるほど、他にはどんな分類がありますか?



物質はまず純物質と混合物に分類されるよ。純物質は均一な割合で構成されている物質で、物理的な方法では分離ができないものを指すんだ。純物質は、さらに構成される元素の数で単体と化合物に分けられるよ。一方、混合物は物理的な方法で分離できる物質で、海水や大気が例として挙げられるよ。





どのように分離できるのかで物質の分類ができるのですね!



その通り。ここで、原子・元素・単体で同じ名前で呼ぶものがあることに気を付けておこう。例えば、酸素という元素には、同位体のためにいくつかの種類の酸素原子が含まれる。酸素原子が2つ結合すると、酸素という単体をつくることができる。同じ呼び名でも、何を指しているのか理解できるようにしておこう。
例題&解答
【例題1】
希ガスが化学反応を起こしにくい理由を答えなさい。
【解答】
希ガスは最外殻の電子が閉殻構造になっており、価電子が0個であるため、他の原子と電子をやり取りする必要がなく、化学反応を起こしにくい。
【例題2】
次の元素の中から希ガスを選びなさい。
ヘリウム、ナトリウム、アルゴン、酸素
【解答】
ヘリウム、アルゴン。