【ノートでかんたん理解】同位体・電子配置が8分でわかる!

このページのまとめ

学習のポイント

  • 同位体は、陽子の数が同じで中性子の数が異なる原子のこと。
  • 電子はエネルギーの異なる電子殻に配置され、内側からn番目の殻には最大2n²個の電子が入る。
  • 電子配置は、電子がどの電子殻にいるかを示し、化学的性質に影響を与える。
  • 最外殻の価電子は、化学反応において重要な役割を果たす。
  • 電子は電子軌道に存在し、その位置は確率で決まる。

まとめノート


~先生と生徒の会話~

先生

今日は「同位体」、「電子殻」、「電子配置」について話していこうか。まず、原子の中身について少し考えてみよう。たとえば、君が持っているペンや机、それらの物質は全部原子からできているんだ。

生徒

そうですね。全部原子でできているって言われても、まだその「原子」がよくわからないです…。

先生

その気持ち、わかるよ。原子って目には見えないけれど、すべての物質の基礎なんだ。しかも、同じ種類の原子でも、いろいろなバリエーションがあるんだよ。それが同位体だ。

生徒

同位体って何ですか?

先生

簡単に言うと、同位体とは、同じ元素でも陽子の数は同じだけど、中性子の数が違う原子のことだよ。たとえば、水素には軽水素、重水素と三重水素がある。どれも陽子は1個だけど、中性子の数が違うから、質量が変わってくるんだ。こういうバリエーションを同位体って言うんだ。

図1 水素の同位体
生徒

中性子の数が違うだけで、別の種類になるんですね。

先生

そうだね。では次に、電子殻について話そうか。電子は原子核の周りを回っているんだけど、決まった電子殻と呼ばれる層に配置されているんだ。原子核に一番近い殻から順に、K殻、L殻、M殻という名前がついている。

生徒

どの電子殻に電子が入るのか、どうやって決まるんですか?

先生

いい質問だね!電子殻には、それぞれ入ることができる電子の数が決まっていて、内側からn番目の殻には最大で2n²個の電子が入るんだ。たとえば、K殻(n=1)には最大2個、L殻(n=2)には最大8個、M殻(n=3)には18個の電子が入ることができるんだよ。

図2 電子殻
生徒

へえ、じゃあ、電子はその殻にどうやって配置されるんですか?

先生

それが電子配置と呼ばれるものなんだ。電子はエネルギーの低い殻から順に詰まっていく。たとえば、ナトリウム原子は11個の電子を持っていて、K殻に2個、L殻に8個、M殻に1個の電子が配置される。こういう配置のことを電子配置と言うんだよ。

図3 電子配置の一覧
生徒

最外殻に1個だけ電子があるとどうなるんですか?

先生

この1個が、他の原子と結びつくときに大きな役割を果たすんだ。特に、最外殻にある電子を価電子と呼んで、この価電子の数がその元素の化学的性質を決定づけるんだ。ただし、希ガスの価電子数は0個となるよ。

図4 価電子数
生徒

なるほど、じゃあ電子がどこにいるかが大事なんですね。

先生

その通りだ。さらに、実際に電子がどこにいるのかは、電子殻よりももっと複雑で、電子軌道という考え方があるんだ。電子は1s軌道や2p軌道といった軌道を通過するとされているよ。しかし、単に軌道上をぐるぐる回るわけではなく、ある確率でその空間のどこかに存在しているんだ。電子がどこにいるかは、量子力学で説明されるけど、これはちょっと難しい話だから、今は「電子は決まった軌道に存在している」ということだけ覚えておけばいいよ。


例題&解答

【例題1】
炭素原子126C の同位体である炭素-14の中性子の数を答えなさい。

【解答】

中性子の数は8個(質量数14-陽子数6)。

【例題2】
ナトリウム原子1123​Na の電子配置を答えなさい。

【解答】

電子配置は、K殻に2個、L殻に8個、M殻に1個の電子が配置される。

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この記事を書いた人

京都大学工学部工業化学科卒業。
過去に某有名学習塾にて化学科講師として勤務。対面授業,オンライン授業共にのべ2000人以上の生徒を指導し,多くを東大・京大・国公立医学部へ排出。