【高校化学/理論化学】酸化・還元の定義を7分で解説!

このページのまとめ

  • 酸化は電子を失う反応、還元は電子を得る反応。
  • 酸化と還元は必ずセットで起こる。酸化剤は自分が還元され、相手を酸化させる物質。
  • 還元剤は自分が酸化され、相手を還元させる物質。
  • 燃焼反応、電池、呼吸など、酸化還元反応は私たちの日常生活や体内でも重要な役割を果たしている。

~先生と生徒の会話~

生徒

「酸化・還元」という言葉をよく聞くんですが、具体的にはどういう意味ですか?

先生

酸化と還元は化学反応の一種で、簡単に言うと、電子を失う反応が酸化で、電子を得る反応が還元なんだよ。例えば、金属の錆びる過程なんかは「酸化」の良い例だね。鉄が酸素と結びつくと酸化して錆びる。このとき、鉄は電子を失って酸化されるんだ。

生徒

なるほど、酸化は「電子を失う」反応なんですね!じゃあ、還元はその逆で「電子を得る」反応ということですか?

先生

その通り!酸化と還元はセットで起こる反応なんだ。つまり、ある物質が電子を失って酸化されると、その電子を受け取る相手が必ず存在して、相手は電子を得ることで還元されるんだ。例えば、鉄が酸化するときに酸素は電子を受け取って還元される。これが「酸化・還元反応」なんだよ。

生徒

酸化と還元は一緒に起こるんですね!それぞれが単独で起こるわけじゃないんですか?

先生

そうだね、酸化と還元は常にペアで起こるんだ。だから、「酸化反応が起こったら、必ず還元反応も同時に起こっている」と覚えておくといいよ。この2つの反応がセットになっているので、酸化剤と還元剤という言葉も出てくるんだ。酸化剤は相手を酸化させる物質、つまり自分は還元される物質だし、還元剤は相手を還元させる物質、つまり自分は酸化される物質なんだ。

図1 酸化剤と還元剤
生徒

酸化剤と還元剤って、相手を反応させる役割を持っているんですね!実際の生活の中ではどういった場面でこの酸化還元が関係しているんですか?

先生

酸化還元は私たちの生活の中でもたくさんの場面で見られるよ。たとえば、燃焼反応も酸化還元反応の一種だね。キャンプファイヤーで薪が燃えるとき、酸素が薪の中の炭素と反応して酸化し、熱や光を出す。このとき酸素が酸化剤として働いて、炭素は還元されるんだ。

先生

また、酸化還元反応は電池の中でも重要だよ。電池の仕組みは、酸化還元反応を利用して電子を動かすことで電流を生み出しているんだ。酸化反応が一方の電極で起こり、還元反応がもう一方の電極で起こることで、電池が動作するんだよ。

生徒

燃焼や電池でも酸化還元が関係しているんですね!実は私たちが日常的に触れているものだったんですね。

先生

そうだね、酸化還元反応は化学反応の中でも非常に一般的だから、いろいろな場面で見られるよ。また、生体内でも酸化還元は重要で、私たちの体の中でエネルギーを作り出す過程、例えば呼吸や代謝でも酸化還元反応が関わっているんだ。酸素を取り入れてエネルギーを生み出すプロセスはまさに酸化還元反応の一例なんだよ。


例題&解答

【例題1】
次の反応において、酸化される物質と還元される物質を答えなさい。
C + O₂ → CO₂

【解答】

酸化される物質: C(炭素は電子を失って酸化される)
還元される物質: O₂(酸素は電子を得て還元される)

【例題2】
次の反応において、酸化される物質と還元される物質を答えなさい。
N₂ + 3H₂ → 2NH₃

【解答】

酸化される物質: H₂(水素は電子を失って酸化される)
還元される物質: N₂(窒素は電子を得て還元される)

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この記事を書いた人

京都大学工学部工業化学科卒業。
過去に某有名学習塾にて化学科講師として勤務。対面授業,オンライン授業共にのべ2000人以上の生徒を指導し,多くを東大・京大・国公立医学部へ排出。