【高校化学/理論化学】化学反応式を9分で解説!

このページのまとめ

  • 化学反応式は、反応物と生成物の関係を表す「化学のレシピ」。
  • 係数は、反応に必要な物質の量を示し、モル比としても使われる。
  • 質量保存の法則を守って、左右の物質の原子数を一致させることが重要。

~先生と生徒の会話~

生徒

化学の授業で「化学反応式」について少し触れたんですが、反応式を見ても、まだどういうふうに使えばいいのかがよくわからなくて…。

先生

そうだよね、化学反応式は最初、少し複雑に見えるかもしれないけど、慣れれば反応の「レシピ」みたいなものだよ。化学反応式は、化学反応でどんな物質がどう変わるかを簡単に示しているんだ。例えば、料理のレシピだと「材料」と「作り方」が書いてあるよね。それと同じように、化学反応式も「反応物」と「生成物」が示されているんだ。

生徒

なるほど、料理のレシピと同じように考えると少しわかりやすいですね。でも、どうして「反応式」って言うんですか?

先生

「反応式」というのは、反応が起こるときの物質の関係を式で表すからなんだ。例えば、水ができる反応を考えてみよう。水素(H₂)と酸素(O₂)が反応して水(H₂O)になる反応を反応式で表すと、  2H2+O2→2H2Oという形になるんだ。この式を見れば、反応に必要な水素分子と酸素分子の数、そして生成される水の分子の数が一目でわかるよね。

生徒

あ、そういうことなんですね!左側に「反応物」があって、右側に「生成物」が書かれているんですね。でも、どうしてこの式は「2H₂」とか「O₂」って書かれているんですか?

先生

これは「係数」といって、反応する物質の数を示しているんだ。例えば、この反応式では2つの水素分子(H₂)が1つの酸素分子(O₂)と結びついて2つの水分子(H₂O)ができるということを示しているんだ。この「係数」を使うことで、どれくらいの量の物質が必要なのかがわかるんだよ。

生徒

なるほど、係数があることで反応に必要な物質の量をきちんと示せるんですね。これがないと、どれくらいの物質が反応するのかわからなくなりますもんね。

先生

その通り!化学反応式では、物質の「モル比」も重要な役割を果たすんだ。モルというのは物質量を表す単位で、反応式に書かれている係数はモル比を表しているんだよ。例えば、この水の生成反応では、2モルの水素に対して1モルの酸素が必要で、2モルの水ができるということがわかるんだ。

生徒

モル比もここで使われるんですね。そうすると、化学反応式は物質の数や量を正確に表すためにすごく重要なものなんですね。

先生

その通り!実際の化学反応では、反応式を使って必要な物質の量を計算することで、実験を効率よく進められるんだよ。たとえば、学校の実験で水を作るとき、反応式に基づいて水素と酸素の量を計算することで、無駄なく正確に反応を進められるんだ。

生徒

実験でも反応式を使って物質の量を計算するんですね。でも、反応式を書くときに注意すべきことってありますか?

先生

良い質問だね!反応式を書くときには「質量保存の法則」を守ることが大切だよ。質量保存の法則というのは、「反応前と反応後で、全体の質量は変わらない」という法則だよ。だから、反応式の左右で「元素の数」が同じでなければならないんだ。たとえば、水の生成反応では、反応前の水素分子と酸素分子の数が、生成された水分子の中に全て含まれているよね。このバランスを取ることが、反応式を書く上での基本なんだ。

生徒

あ、確かに!左右で元素の数が一致していないと、物質の保存ができなくなっちゃいますもんね。

先生

そうなんだ。だから、反応式を書くときは、必ず左側の反応物と右側の生成物の「原子数」が一致しているかを確認することが大切だよ。そうすれば、正しい化学反応式が書けるんだ。


例題&解答

【例題1】水が生成する反応の化学反応式を完成させなさい。

2H2​+O2​→2H2​O

【例題2】メタン(CH₄)と酸素(O₂)が反応して二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)を生成する反応式を完成させなさい。

CH4​+2O2​→CO2​+2H2​O

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この記事を書いた人

京都大学工学部工業化学科卒業。
過去に某有名学習塾にて化学科講師として勤務。対面授業,オンライン授業共にのべ2000人以上の生徒を指導し,多くを東大・京大・国公立医学部へ排出。