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学習のポイント
- 分子式は、物質中に含まれる元素の正確な数を示し、ブドウ糖の分子式はC6H12O6。
- 組成式は、元素の最も単純な比率を示し、ブドウ糖の組成式はCH2O。
- 構造式は、分子の中で原子がどのように結びついているかを示す。
- 示性式は、分子の特定の官能基を簡潔に示す。
- 電子式は、原子の最外殻電子の配置を示し、化学反応における電子の動きを理解するために重要。
まとめノート

~先生と生徒の会話~

今日は「化学式」について詳しく話してみようか。化学式っていろいろなところで見るけど、実はその中にたくさんの情報が詰まっているんだ。



化学式って、確かに教科書にたくさん出てきますね。でも、何を意味しているかはよくわかっていません…。



いい質問だね。化学式は、物質の成分とその数を表しているんだ。例えば、水の化学式 H2O では、水が水素(H)と酸素(O)でできていて、水素が2個、酸素が1個あるという意味なんだ。



なるほど!じゃあ、全部の化学式がそうやって分かるんですか?



化学式にはいくつかの種類があるんだ。一番よく使うのが分子式だ。これは、物質中に含まれている元素の正確な数を示している。次の表を見てみよう。たとえば、ブドウ糖の分子式はC6H12O6。これは、炭素が6個、水素が12個、酸素が6個含まれているって意味だね。





ふむふむ。じゃあ、他にも違う化学式があるんですか?



そうだね。もう一つ覚えておいてほしいのが組成式。これは、元素の最も単純な比率を表しているんだ。これも表を見てみよう。ブドウ糖の実験式は CH2O になるよ。これが、ブドウ糖の最も単純な比率だね。分子式と違って、実験式は簡略化された形なんだ。





なるほど!分子式と組成式は、同じ物質でも違いがあるんですね。



その通り。そして次に知っておくべきは構造式だね。構造式は、分子の中で原子がどうやって結びついているかを示しているんだ。これも表で確認しよう。例えば、エタノールとジメチルエーテルは、分子式は同じ C2H6O だけど、構造が異なる。エタノールでは、酸素が炭素と水素に結びついているけど、ジメチルエーテルでは酸素が炭素同士を結びつけている。構造式を見れば、この違いがはっきりわかるんだよ。





結合の仕方が違うと、性質も全然違うんですね。



そうだね。構造式はとても重要な情報なんだよ。さらに、示性式も覚えておこう。示性式は、分子の中で特定の官能基(分子内の特定の働きをする部分)を簡潔に示すんだ。例えば、エタノールの示性式は C2H5OH で、これはエタノールの官能基であるヒドロキシ基(OH)を含んでいることを示しているんだ。



示性式は、分子の重要な部分が簡単にわかるんですね。



そう。そして、もう一つ重要なのが電子式だね。電子式は、原子の最外殻電子の配置を示しているんだ。電子式も表で確認しよう。例えば、酸素 O2 の電子式では、酸素原子同士がどのように電子を共有して結びついているかを示している。化学反応で電子がどのようにやりとりされるかを見るために役立つんだ。


例題&解答
【例題1】次の化学式のうち、ブドウ糖の分子式はどれですか?
・CH2O
・C6H12O6
・CH3CH2OH
【解答】
C6H12O6
【例題2】次の示性式が表す分子は何ですか?
・C2H5OH
【解答】
エタノール。官能基としてヒドロキシ基(OH)が含まれている。