【ノートで学ぶ無機化学】窒素・アンモニアが7分でわかる!

目次

このページのまとめ

学習のポイント

  • 窒素の単体は亜硝酸アンモニウムの濃い水溶液を加熱することで得られる。
  • アンモニアは実験室では塩化アンモニウムの弱塩基遊離によって生成される。
  • アンモニアの工業的製法として、ハーバー・ボッシュ法が知られている。
  • アンモニアは刺激臭がある気体で塩基性を示す他、塩化水素と反応して白煙を生じる。

まとめノート

このページでは,窒素の単体,アンモニア,一酸化窒素について解説していきます。窒素の単体は大気中に最も多く含まれる気体として知られており,有名な物質です。アンモニアは非常に反応性が高く,覚えるべき反応が数多く存在します。二酸化窒素や硝酸については次の記事で解説していますので,参照してください。

窒素の単体について

製法

窒素の単体は,亜硝酸アンモニウムの水溶液または固体を加熱することで生成することができます。この反応では,亜硝酸アンモニウム内の窒素原子が酸化と還元を受けるので,自己酸化還元反応と解釈されます。また,窒素の単体は大気中に最も多く含まれる気体なので,液体空気を分留することでも得られます。

性質

窒素の単体は原子間で三重結合を形成しており,非常に安定な物質として知られています。アーク放電と呼ばれる特殊な放電を行うことで窒素を酸化して,一酸化窒素を生成することができます。アーク放電以外にも,雷や紫外線のエネルギーを加えることで同様の反応を生じさせることができます。この方法により窒素原子を植物などの中に固定することができるため,一連の流れは窒素固定と呼ばれています。

アンモニアについて

製法

アンモニアは,塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムの固体を混合して加熱した弱塩基遊離反応によって生成されます。ここで塩化アンモニウムや水酸化ナトリウムの水溶液を用いると,生成したアンモニアが溶解してしまうためふさわしくありません。

また,この反応では加熱する試験管の口を少し下げることが必要です。これは,生成した水が加熱されて試験管が割れることを防ぐためです。また,生成物には水蒸気が含まれているため,乾燥剤を通してから上方置換でアンモニアを捕集します。高校化学の範囲では,上方置換で捕集する気体はアンモニアだけであることを覚えておくと良いでしょう。

性質

アンモニアは刺激臭がある気体で,水に溶けると塩基性を示します。したがって,塩基性気体に分類されますが,高校化学の範囲では塩基性気体はアンモニアだけです。アンモニアは塩化水素と反応して塩化アンモニウムを生成します。この反応では,気体どうしが反応して白色の固体が生じるため,塩化アンモニウムが白煙のように見えます。また,アンモニアは二酸化炭素と反応して尿素を得ます。

一酸化窒素について

製法

一酸化窒素は,希硝酸を用いた酸化還元反応によって得られます。例えば,銅と希硝酸の反応はそれぞれの半反応式から導出することができます。また,先述した通り,窒素の単体から一酸化窒素を生成することもできます。

性質

一酸化窒素は不安定な物質で,空気中で直ちに酸化されます。酸素によって酸化されると二酸化窒素を生じます。二酸化窒素の性質は次のページで解説しているので,参照してください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

SNSでシェアしよう!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都大学工学部工業化学科卒業。
過去に某有名学習塾にて化学科講師として勤務。対面授業,オンライン授業共にのべ2000人以上の生徒を指導し,多くを東大・京大・国公立医学部へ排出。

目次