【高校化学/無機化学】酸素の性質について9分で解説!

このページのまとめ

  • 酸素は、地球の大気中に21%含まれており、無色無臭の気体である。
  • 燃焼や酸化反応の主役であり、呼吸やエネルギー生産にも重要な役割を果たしている。
  • 酸素は「空気の液化と分留」や「水の電気分解」で得ることができ、医療や溶接など、多くの産業でも利用されている。
  • また、酸素の同素体であるオゾン(O₃)は紫外線を吸収する役割を持ち、酸素よりも反応性が高く、殺菌や消毒にも使われる。

~先生と生徒の会話~

生徒

酸素って、私たちが呼吸で使っていることは知ってるんですけど、他にどんな特徴があるんですか?

先生

そうだね、酸素(O₂)は私たちの生命活動に欠かせないだけじゃなく、いろんな化学反応でも重要な役割を果たしているんだ。酸素は地球の大気中に約21%含まれていて、無色無臭の気体なんだよ。何よりも酸素は「燃焼」に欠かせないんだ。火を燃やすには酸素が必要だし、燃焼自体が酸素との化学反応だからね。

生徒

なるほど!じゃあ、燃焼以外にも酸素は化学反応で使われるんですか?

先生

もちろん。酸素は「酸化反応」の主役だよ。酸化反応は、物質が酸素と結びついて化合物を作る反応で、例えば鉄が錆びるのも酸化反応の一例なんだ。鉄が酸素と反応して酸化鉄(いわゆる錆)になるんだよ。また、酸素は生物のエネルギーを作る過程でも重要で、体内でグルコースが酸素と反応してエネルギーと二酸化炭素、そして水を生成しているんだ。

生徒

酸素って、体の中でもそんな大事な役割をしているんですね!酸素はどこから手に入れるんですか?

先生

酸素は大気中から直接得られるんだけど、工業的には「空気の液化と分留」という方法で取り出されることが多いんだよ。空気を非常に低い温度で液体にして、その後、沸点の違いを利用して酸素を分離するんだ。酸素は沸点が低いから、液体から気体に戻すときに酸素だけを取り出せるんだ。

生徒

空気から酸素を取り出すんですね!他にも酸素を作る方法ってありますか?

先生

実験室では「水の電気分解」がよく使われるよ。水(H₂O)に電気を流すと、酸素(O₂)と水素(H₂)に分解されるんだ。電気分解は比較的クリーンな方法だから、環境にやさしい酸素製造の手段としても注目されているんだよ。

先生

反応式はこんな感じ:2H₂O → 2H₂ + O₂

生徒

水から酸素と水素が分解されるんですね。すごくシンプルだけど便利そうですね!

先生

そうだね。酸素は燃焼や酸化だけじゃなく、医療や産業でもたくさん使われているんだ。例えば、酸素ボンベは呼吸が困難な人を助けるために病院で使われているし、溶接の際にも酸素が使われるんだ。酸素とアセチレンを混ぜて高温の炎を作り、金属を溶接したり切断したりするんだよ。酸素なしでは多くの工業プロセスが成り立たないと言えるね。

生徒

溶接とか医療でも使われているんですね!そういえば、オゾン(O₃)も酸素に関係がありますよね?

先生

その通り!オゾンは酸素の同素体で、酸素原子が3つ結びついてできているんだ。オゾン層って聞いたことあると思うけど、地球の大気中にはオゾン層があって、有害な紫外線を吸収してくれているんだよ。オゾンは酸素よりも反応性が高く、強力な酸化剤としても使われることがあるんだ。

生徒

なるほど、オゾンは地球を守ってくれているんですね!でも、酸素とオゾンって、そんなに違うんですか?

先生

基本的にはどちらも酸素なんだけど、構造が違うだけで性質が変わるんだ。酸素(O₂)は安定していて普段の呼吸や燃焼に使われるけど、オゾン(O₃)はもっと反応性が高くて、強力な酸化力を持っているんだ。だから、オゾンは殺菌や消毒にも使われることがあるんだよ。


例題&解答

【例題1】
水の電気分解で酸素を生成する反応式を示しなさい。

【解答】

2H₂O → 2H₂ + O₂
水の電気分解により、酸素ガスと水素ガスが生成される。

【例題2】
空気から酸素を得る方法としてよく使われる「空気の液化と分留」について簡単に説明しなさい。

【解答】

空気を非常に低温にして液体にし、その後、酸素と窒素の沸点の違いを利用して酸素を分離する方法。工業的に酸素を大量に得るために使われる。

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この記事を書いた人

京都大学工学部工業化学科卒業。
過去に某有名学習塾にて化学科講師として勤務。対面授業,オンライン授業共にのべ2000人以上の生徒を指導し,多くを東大・京大・国公立医学部へ排出。